ZOZOSTUDIO
| 規模: | 2階建て933.1m2 |
|---|---|
| 用途: | 事務所兼作業場 |
| 基本計画 / デザイン: | 株式会社環境計画研究所 |
| 工期: | 2022年10月1日〜2023年5月19日 |
| タイプ: | アルティア・ステア |
| 特徴: | 長期 販売 |




担当:紅林 明
マンションデベロッパーや設計事務所を主に担当。モデルルーム、暫定商業施設をはじめ、土地有効活用施設の計画段階から相談を受けてプランニング、設計、デザイン、建設まで、プロジェクトマネジメントの実績多数。郡リースのシステム建築を熟知し、客先のニーズを実現すべく知識と経験を活かし提案する姿勢に信頼が厚く、計画初期段階から相談を受けることも多い。企画・プレゼンテーションの経験も豊富。
ZOZO本社屋の向かい側にある株式会社ZOZOの拠点、ZOZOSTUDIO。
意匠は特に凝らさず、基本的な構造だけが存在する、シンプルな箱のようなデザイン。
でも、ZOZOの由来である「想像」と「創造」をさらに推進するため、中にはさまざまな想像力を触発するような空間をイメージ。はたらく人の創造力を活かすことで、さまざまに使いこなすことを可能にする、使い方を自在に変えられるオフィス。
ZOZOの箱にオープンな風を
本社の目の前に建つZOZOSTUDIOは、意匠は特に凝らさず、基本的な構造だけが存在する、シンプルな箱を想起させるデザインがコンセプト。外観からも常に進化する創造性が感じられるようなデザインになるように、システム建築という決められたモジュールや外壁素材を使用しなければならない制限のある中で、意匠・設備の設計担当が法規制をクリアさせつつ実際に施工する事を考えながらパズルを解くように工夫と検討を重ねました。その結果、正面道路に面する外壁面はシンプルな箱をイメージさせたデザインを優先して黒い壁とガラスだけ、法規上必要な開口部や設備ガラリは建物裏面にしたいという要望にも対応し、閉塞感のない自由でオープンなデザインが実現しました。
進化し続ける「未完成」の箱
オフィススペースとはいえ、さまざまな創造性に対応できるよう、その時々のプロジェクトに応じて自在に手を加えられるよう、なるべくシンプルに、敢えて天井・壁・床は仕上げないまま、スケルトン状態として完成させたい、と言う希望を叶えるべく施工に入りました。
多くはシステム建築の特性を最大限活かして作り上げるように工夫しましたが、階段まわりについては現場で商品製作担当者と鍛治工事業者が素材の選び方や納め方など知恵と工夫を重ねていきました。階段周りの排煙壁、二階開口部のスケルトンフェンスについても、鉄骨材料や溶接、ボルト止めに至るまで、鉄骨素材を活かした造り方をそれぞれの担当者の経験とアイデアとプロフェッショナルな対応により、最終的に細部にわたり誰が見てもちゃんと仕上がった「未完成」な階段周りを収めてくれました。
鉄骨躯体も剥き出しのままになっていることが意匠的にもカッコよく見えるように、そして、何より安全であり、使いやすいように、実際には錆止め色と同色に再塗装したり、コンクリートが粉を吹いて埃がたたないようにクリアな塗料で塗装するなどして仕上げ、「未完成」の箱として引渡しました。
インタビュー
株式会社ZOZO 総務部
ディレクター 柴田 恵一郎様
ファシリティマネジメントブロック ブロック長 源 裕子様
ファシリティマネジメントブロック 岡田 美穂様
Q1. ZOZOSTUDIOの企画に至った背景についてお聞かせください。
A. 本社移転後、私たちはかねてより「デザイナーのアトリエのような空間を設けたい」と考えていました。
当初は、デザイナーが業務を行う仕事場としての建設を想定していましたが、コロナの終息に向かい、週2出社・週3リモート勤務を検討する中で、本社屋の座席数不足が懸念されました。そこで、座席の確保も考慮し、「1階はデザイナーの業務エリア」「2階は通常業務ができる座席」という構成を兼ね備えた建物を建設するに至りました。
Q2. 今回のプロジェクトにおいて特に重視された点は何でしたか?
A. 「当社のデザイナーの理想の空間」と「総務部としての最適な業務環境」、この両立が大きなポイントでした。どちらかに偏ってしまうとバランスを欠いた空間になってしまうため、コスト面も含めて最適な案を模索しました。
また、ZOZOが創業当時から大切にしてきた自前主義やDIY精神を空間づくりにも反映しました。素材はあえて素地を選び、壁や仕上げで隠すのではなく「素のままを魅せる」ことで、使いながら手を加え育てていける“余白”を意識しました。この姿勢を貫いた結果、デザイナーの創造性と総務部の業務性が調和した空間を実現できたと感じています。
Q3. 完成したスタジオをご覧になった際の印象を教えてください。
A. 外観は、まさにイメージしていた通りの「箱」がそこにありました。
内装はシンプルな素地の仕上げだからこそ、職人の技が随所に感じられる空間になっています。郡様からは「隠せる部分をあえて魅せるのは職人泣かせ」とも言われましたが(笑)、仕上げは見事に美しく整えられており、そこに職人魂を強く感じました。この“未完成の箱”を私たち自身が使いこなし、手を加えながら成長させていくことで、新しい発想やものづくりが次々と生まれていく――そう考えると、とてもワクワクする印象を受けました。
Q4. 特に気に入っているエリアやデザイン要素はありますか?
A. 1階のカフェエリア「ZOZOSTUDIO COFFEE」が特に気に入っています。
一部のガラス戸は折れ戸になっており、天気の良い日には開放されて心地よい空間が広がります。さらに、ブランコやスケートボード板を使ったベンチなど、ZOZOのデザイナーがDIYをしたオリジナルの家具を配置した、遊び心にあふれたデザインが魅力です。
Q5. スタジオは現在どのように活用されていますか?
A. 1階はデザイナーのスペースとして、2階は通常業務エリアとして複数の部署が利用しています。
また、併設しているカフェは地域の人々にも開かれており、社内外のイベント会場としても幅広く活用しています。
Q6. 空間が業務やチームに与えた影響について教えてください。
A. ZOZOSTUDIOでは、さまざまな部署の社員が業務を行っています。そのため、普段は接点の少ない社員同士が顔を合わせる機会が増え、自然なコミュニケーションが生まれるようになりました。
また、併設しているカフェを通じて部署の垣根を越えた交流が広がり、社内に新たなつながりが生まれています。
Q7. 施工中のやりとりで印象に残っていることはありますか?
A.
当社のデザイナーが一見すると空想のような要望を出しても、施工担当の方は決して「できません」とは言わず、必ず「検討します」と前向きに受け止めてくださいました。限られた空間の中でより良いものをつくろうという強い意志を感じ、その姿勢がとても印象的でした。
Q8. 今回のプロジェクトで特に満足している点は何ですか?
A. 建築方法や使用できる素材に制約がある中で、当初から重視していた「当社のデザイナーの理想の空間」と「総務部としての最適な業務環境」の両立を実現できたことです。この2つをバランス良く形にできた点に、非常に満足しています。
Q9. ZOZOSTUDIOでさらに挑戦したいことがあれば教えてください。
A. 今後は、より多くの社員や地域の方々に開かれた場として、活用の幅を広げていきたいと考えています。カフェエリアを活用したイベントやワークショップを通じて社内外の交流を促し、ZOZOSTUDIOならではの発想やアイデアを、業務やサービスに還元していきたいです。

